Inside Asian Gaming
2019 年 4月 IAG JAPAN 39 フォーカス コタイとして知られる6.7平方キロメートルの干潟に可能性を見出 し、コタイストリップというコンセプトを発展させ、2007年に世界最大 のカジノ、ザ・ベネチアン・マカオの建設を指揮したのもアデルソン氏で あった。今では、コタイストリップはマカオのカジノ産業の中心、そして その象徴であり、9つの統合型リゾートが営業しているのに加えて年末 までには10番目のリゾートのオープンが控えている。サンズ・チャイナ はそのうちの4つを運営している。 これらの貢献にも関わらず、アデルソン氏とホー博士の体調悪化 は、特に現在の20年間のゲーミングコンセッションが2022年に期限切 れを迎える(SJMとMGMのライセンスは最近、他の4社に合わせて2020 年から2年間延長された)中で、必然的に 彼らがいなくなった後、会社 はどうなっていくのかという疑問を投げかけてくる。 SJMを熱心に観察する人々は、MGMホールディングスの共同会長兼 執行役員であり、ホー博士の第2夫人藍瓊纓(Lucina Laam)氏との娘(5 人兄妹の1人)パンジー・ホー氏による大胆なパワープレイのタイミング に思いを巡らせずにはいられない。パンジー・ホー氏は、父親の体調悪 化が伝えられる数週間前の1月にSTDMの支配権を得るための同盟を 発表していた。 パンジー・ホー氏と、同氏が支配権を持つ、信徳集団(シュンタック ホールディングス)、ランスフォード、インタードラゴンの3社、そしてフォ ク・ファンデーションの同盟は、合計でSTDMの発行済み株式の53%を 取得し、STDMは代わりにSJMホールディングスの54%の株式を保有し ている。SJMは、ソシエダーデ・デ・ジョゴス・デ.・マカオ(Sociedade de Jogos de Macau, S.A.)の持ち株会社で、マカオのカジノコンセッション またはサブ・コンセッションを保有する6社のうちの1社だ。 父親の持つ資産をめぐる前回の争いを引き延ばした不安定な休戦 の中で重要人物となっていることで、パンジー・ホー氏がいつかSJMの 支配に乗り出すだろうと長い間言われてきた。ホー博士は自宅での転 倒によって、2009年に脳の外科手術を受けた後、現在は香港で完全介 護を受けており、そんな中でホー氏の株式を自分たちのやり方で移譲 することを計画したのは、パンジー・ホー氏と、現在のSJM会長デイジ ー・ホー氏とメルコリゾーツの会長兼CEOのローレンス・ホー氏を含め た4人の同父母の兄妹全員だった。 その動きは、ホー博士が2010年12月に第4夫人のアンジェラ・レオ ン(梁安琪)氏に7.03%の株式を与え、レオン氏が7.63%を保有する2番 目に大きな個人株主となった直後に開始された。繰り返される法的な 脅し、起訴そして反訴という負の連鎖が手に負えなくなる中で、一部で は中国の関与があったと噂される家族間での休戦が2011年についに 合意に達し、パンジー・ホー氏がSTDMの取締役に任命され、レオン 氏には6年間SJMで専務取締役に就くことが保証された。その期間は 2017年に期限切れを迎えた。 2019年1月に出された「Let the game of casino thrones begin(カ ジノ王座をめぐるゲームを始めよう)」というタイトルのレポートの中で、 ドイツ銀行のリサーチアナリストカレン・タン氏は、「パンジー・ホー氏 とフォクの新同盟の成立は〜なり得る」と述べている。 タン氏は、「レオン氏とその仲間であるSJMのCEO(アンブローズ・ソ ー氏)とCOO(ルイス・ウ氏)の取締役としての現在の任期が終了したら、 彼らは再選されない可能性がある。COOの任期は2019年6月に、そし て他の2人の任期は2020年6月に終了するだろう」と推測している。 特に、2019年に行われるSTDM取締役選任への「共同提案」の提出
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