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2019 年 4月 IAG JAPAN 11 疑問が残るマカオの複雑な再入札問題 www.asgam.jp ベン・ブラシュク 編集長 あなたの フィードバックが必要 です。 コメントは bb@asgam.com へ送ってください。 社説 マカオ政府が3月15日、SJMとMGMのコンセッション契約を 2022年6月26日まで延長することに合意したことを発表した。しか しその発表によって、マカオのライセンス再入札プロセスに何を予 期すべきかということが明らかになることはなかった。 ライセンス延長の承認を遅らせるという決定は、長い間予測さ れていた。当初2018年中頃までに再入札計画の詳細を発表すると していたにもかかわらず、このような決定を下したことは、現崔世 安(フェルナンド・ツイ)政権の任期が12月に正式に終了することを 踏まえると、更なる行動を起こす必要性を都合よく無くしてしまった ということになる。 これは、明確な説明を得るまでにはそれよりもはるかに長く待 つことになる可能性があるということだ。 ユニオン・ゲーミングのマカオ在住アナリスト、グラント・ゴバー トセン氏は、「年末に新政権へと移行し、そこから数年にわたる調 査が行われることになるだろう(日本への静観の姿勢をとる可能 性)。そのため、6社全てのコンセッションを2022年を大きく超えて 延長することが必要になるだろう」と推測している。 別の言い方をすれば、5年後もここに座り、マカオの再入札プロ セスについて全く同じ質問をしている可能性はかなり高いというこ とになる。 しかし、それはマカオのコンセッション保有6社にとって必ずしも 悪いニュースだとは言えない。 SJMとMGMの場合で言うと、元々は2020年に期限切れを迎える ことになっていたライセンスが、他の4社と合わせる形で2年間延長 されることになったことで、問題を整理するために切実に求めてい た時間的余裕が与えられることになった。そしてSJMは特に胸を撫 でおろしていることだろう。360億香港ドルをかけた待望のコタイの 統合型リゾート、グランド・リスボア・パレス。その開業をついに来年 初頭に迎えることになり、全ての力をそこに注ぎ込むことができる。 SJMは発表当日に香港証券取引所に提出された報告書の中で、 コンセッションの延長は、「マカオ政府が次のゲーミングコンセッシ ョンの入札を募ることを検討している時期に、(SJMを)他のコンセッ ション保有者と同じ位置に立たせてくれるという意味で、グループ にとって重要な進展である」と述べた。 MGMも、この延長は、事業資金を確保し、将来的な設備投資を計 画するより良い機会を与えてくれるものであると述べた。言うまで もなく、両社には世界で最も大きな利益を生み出すカジノの中心地 でさらに2年間営業できる権利が保証された。 しかし、SJMとMGMがはるかに大きな確信をもって前進すること が出来るようになった一方で、マカオの再入札計画の詳細を待つ期 間も同様に延長されたようだ。 特に、マカオのコンセッション保有6社が更新のために何をすべ きかはまだ何も明らかになっていない。どのような金銭的義務がそ れに付随するのか。マーケットに新規参入する事業者にはどのよう な機会が提供されるのか。ゴバートセン氏は、7社目(または8社目) のライセンスが発行される確率は半々と見ている。 いずれにせよ今のところはどのような憶測も賽の目次第といっ たところである。

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