横浜市が表明した、 IR(カジノを含む統合型リゾート施設)の山下ふ頭への誘致方針に対し、「かながわ市民オンブズマン」が請求した住民監査が市監査委員に却下されたことが24日、分かった。オンブズマンは結果を不服とし、住民訴訟を起こす考え。地元紙の神奈川新聞が伝えた。
同紙によると、オンブズマンは、ふ頭の市有地を事業者に払い下げたり、貸し付けたりしないよう市に求めたが、市監査委員は、「まだIR区域整備計画の策定、市会での議決、国による認定がなされていない現状では、市有地が事業者に提供されることが『相当の確実さをもって予測される』とはいえない」とし、請求を却下したという。
また、IR誘致に反対する市民グループ「カジノの是非を決める横浜市民の会」(賛同団体:立憲民主党、日本共産党、れいわ新選組など)は24日、誘致の是非を問う住民投票条例を求め、来月から署名活動を始めると発表した。条例制定の請求に必要な署名は約6万2千筆。同会は9月の市議会定例会に条例案を付議することを目指すが、そもそも市議会はIR誘致賛成派が過半数であり、条例案の可決は難しいと見られる。もう一つの手段となる市長のリコール実現には約50万人分の署名が必要となる。