多くの問題を抱えるニューヨークのカジノ、リゾートワールド・キャットスキルズの親会社であるエンパイア・リゾーツの少数株主が、ゲンティン・マレーシアおよびゲンティントップのリム・コック・タイ氏の家族信託を巻き込んだ私有化計画をめぐって同社を訴えている。
現地紙のタイムズ・ヘラルド-レコードによると、デイビッド・ムーレン氏は今週に入って、エンパイア・リゾーツ、同社会長のエマニュエル・パールマン氏、取締役であるキース・ホーン氏、ジェラルド・ユー・ケン・リム(Gerard Ewe Keng Lim)氏、エドモンド・マリヌッチ氏およびナンシー・パルンボ氏、そしてリム氏のKien Huat Realty III対して訴えを起こした。訴訟は、エンパイアとその関係者が、他の株主の利害に反して同社を私有化の方向に向かわせていると主張している。
Inside Asian Gamingが以前伝えた通り、ゲンティン・マレーシアは、エンパイア・リゾーツの86%の株式を既に保有するKien Huat Realty III Ltdとの間で法的拘束力のあるタームシートを交わし、ゲンティン・マレーシアの100%子会社であるゲンティン(USA)が、エンパイアの35%の株式に相当する1,320万株を取得する。その後、Kien Huatはエンパイアの残りの全株式を取得し、Kien Huatが51%、ゲンティン(USA)が49%を所有する新合弁会社の設立を予定をしている。
ゲンティン・マレーシアは、リゾート・ワールド・カジノ・ニューヨークシティとのクロスマーケティングを通じてこの地域でリゾートワールドブランドをより有利な位置にさせ、それらマーケティング努力によって他の州からの顧客をさらに惹き付け、一定の距離を置いた運営サービスをエンパイアに提供することで生まれる収益と費用の相乗効果を通じて大きな成長を達成し、そしてゲンティン・マレーシアのレジャー及びホスピタリティ業界での経験を活かしてエンパイアの成長を加速させたいとしている。
エンパイア・リゾーツの取締役による特別委員会はすでに、株主に合併を承認するよう提言しており、年末までに投票が行われる予定になっている。
しかしながら、ムーレン氏の訴えは、エンパイアが株主に対してゲンティン・マレーシアとKien Huat Realty IIIからの提案を適切に評価するための充分な情報を提供せず、この取引は取締役に金銭的な利益をもたらすために承認され、潜在的な第三者が独自の提案を行うことができないよう追い払われていたと主張している。また、発行済み株式1株当たり9.74米ドル(約1,045.07円)というゲンティンの提示価格がどのように導き出されたかについても疑問視しており、エンパイア株の価値が低く見積もられた可能性があることを示唆している。
エンパイアもゲンティン・マレーシアのどちらもこの訴訟に関するコメントを出していない。